2011年1月23日(日) 【命ってやつ】 余命宣告をされたおじさんのお見舞いに行った。 痩せ細って頭の毛も眉毛も抜けていたけれど、今日は調子がいい、とか言って、嬉しそうにニコニコしながら色んな話をしていた。 『見舞いで本をもろうたけど、本は目が疲れて読めんけん、持って帰ってや』と言われ、棚に置いてあった本を見てみると、手塚治虫のブラックジャック10、11、17巻とビートたけしの本があった。 たけしの本はナイスチョイス、 でも、ブラックジャックはどう突っ込もう。 きっと、なんでもいいからとりあえず退屈しのぎに、って、慌てて持って来たんだろう。 全巻もらうより嬉しいかも。 おじさんは、病院の飯はマズイ!と言っていた。 毎日寒くて散歩が出来ん!と言っていた。 看護士はブスばっかり!とは言っていなかった。 ニコニコしながら文句を垂れていた。 生は、死が無いとなんの重みもない。 永遠に生きられるのなら、誰も、命を大切になんて言わないし命を大切にしない。 そんな事を考えていたら、生よりも死の方が尊いんじゃないかと思ってしまった。 死が尊いからこそ、そこへ行くまでの生に重みが発生するんじゃないかと思ってしまった。 死んでしまった人の頬を撫でて、泣きじゃくって過呼吸になる前に、まずは感謝すべきなのかもしれない。 たった今、この瞬間に、私は私の生の重みと素晴らしさを、あなたの死を持って痛感する事が出来ました。 でもそれは理屈で、愛という名の温かい屁理屈が存在していれば、そういう訳にはいかない。 泣きじゃくって過呼吸、を、100万回くらいやらないと、理屈には辿り着けない。 感謝なんて出来ない。 病院から帰ったあと、少しの間そういう変な事ばかり考えていた。 また、行けたら行くよ、おじさん。 ほとんどお兄が喋っていたけど。 私はただ椅子に座って笑っていただけだけど。 また、行けたら行くね。 ブラックジャックの1巻持って。 [更新通知] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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