2011年3月30日(水) 【ターンして帰ろう】 余命宣告を受けた子宮ガン末期の女性が、「他人事だとは思わず、女性の方は定期的に検診を受けてください」と、テレビで涙ながらに訴えても、私はまだ検診を受けていない。 余命宣告を受けた知り合いのおじさんが、薬の副作用でボロボロになった口を開け、大きなイビキをかきながら、病室のベッドで眠り続ける姿を目の当たりにしても、私はまだ煙草を辞めていない。 都会へ出たのをきっかけに精神を病み、意味不明の事ばかりを喋り続ける親戚のおばさんが、死ぬまで元の自分に戻れなかった事を知っても、私はまだ苦悩する事を辞めていない。 地元のスーパーや電器店から単１電池が消えたと、母が騒いでも、私はまだ単１電池を探しに行っていない。 ＡＣが「被災された人達の気持ちになって考えてみよう」と、訴える度、 私は「それは絶対に出来ない」と、毎回心の中で言い返す。 あんな事があっても、どんな事があっても、 私のお腹は減るし、私の喉は乾く。 私の体はニコチンタールを欲するし、私の心は時々死にたくなる。 どんなに傷ついても、どんなに虐げられても、どんなに落ち込んでも、どんなに泣いても、私のお腹は減るし、私の喉は乾く。 カッターナイフを握らなくなったのは、死んでゆく人達を見たからじゃない。 ギターを蹴ったり、ＣＤを壊したりしなくなったのは、資源や物を大切にしたいからじゃない。 被災された人達の気持ちになれなくても、近所のコンビニの募金箱には、私が嫌々働いて稼いだお金が入っている。 みんなが同じ考え方を持つこと。 みんなが同じやり方をすること。 一つになるって、そういうことじゃない。 じゃあ、どういうこと？ 私は知らない。 テレサ・テンは、時の流れに身を任せ、と歌っているけれど、 あの歌好きだけど、 私は私でどうにかしたい。 ターンして帰ろう。 落ち込んだ心の底は、あなたや私が住めるような場所じゃないから。 あんなとこ、たまに行くからいいんだよ。 [更新通知] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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