捧げ物

一夜の夢
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俺は、守られていた。否、守られている。

あの温かい青き光に。

貴女は俺をいつも守っている。

幼い俺が、それに気付いていないだけで。

「―――ジャキ」

そう呼ぶ声には、慈しみが感じ取れた。

その声を聞く度に思う。失いたくない、と。

絶やしてはならないのだ。俺の…たった一つの美しい物だけは。

消してはならないのだ。俺のたった一つの救いだけは。

……貴女がいなければ、俺は狂ってしまうだろう。

力に恋焦がれているのはジールと何ら変わらないのだから。

此処に来てから一層強く思う。

俺とジールは、限りなく似ていると。

異なっているのは、守りたいものが有るか、無いか…それだけだ。

だから俺は貴女を守ろう。俺を守る貴女を守ってみせる…。

それだけは、この身に誓おう。


…魔王と呼ばれた者が誓うには、余りにも人らしい誓いではあるが…な。


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