本編

帰ってきた王妃
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「…ッ…ここは?」

目を開くと見知らぬ場所に一人横たわっていた。

木々の囁きと水のせせらぎが耳に心地よい。

「とりあえず、マールを探さないと…!」

ガンガンと痛む頭をおさえ、森らしき場所から抜け出そうと立ち上がる。

ガサリ、と音がした。

後方でももう一回。

…なにか、いる。

クロノは何か剣を持ってくればよかったと後悔しながら木刀を構える。

「ギャーアァ!!!」

寄声とともに出てきたのは三匹の…。

魔族…?

小さい頃絵本で読んだ魔族とおんなじだ。

…魔族は400年前に戦いに敗れ、住処を追われたんじゃなかったのか?

なんて、理屈で動いてても仕方ない。

実際に目の前の魔族は襲い掛かってきている。

素早く木刀を降り、三匹の魔族を倒した。

剣術が趣味で良かった。

ホッと胸をなで下ろしあらためて疑問に思う。

…此処は一体どこなんだ…?

異界か、過去か、未来か、それとも俺の夢の中?

どうしていいのかわからない不安感が身を焦がしたが悩んでいても仕方ない。

…ここは小さな山らしい。

何匹かの魔族に襲われたが簡単に始末できた。

山を降りるとなんだか見覚えのある町並みが広がっていた。

…似てる。

トルースの地形に。

何故…?

そのとき目に飛び込んできたものを見てクロノはハッと息を呑んだ。

「ガルディア城…!」

それは紛れもなくガルディア城だった。

ということはここは王国ということなのだろう。

「城に、行って見よう」

門前払いを食らうかもしれないが、クロノがいた世界と関わりが一番あるように見えたからだ。

その時、前から人が歩いてきた。

「あの…」

意を決して話しかける。

「此処は…どこですか?」

その女性は俺の洋服をじろりと一瞥した。

そして意味が分からないというように眉を潜めると、ぼそりと呟いた。

「ここ?ガルディア王国に決まってるじゃない」

「じゃあ建国1000年のお祭りはどこで…」

「さっきから何言ってるの?今は建国600年。魔王軍との戦いがあるのに祭りなんてやってるはず無いじゃない」

女の人は急いでるから、と言い残して足早に去っていった。

…建国…600年…。

ここは、過去なのか。

ならマールはどこに?

…考えていても仕方ない。

とりあえず、進もう。

クロノはしっかりと前を見据え、見知らぬ土地を前進していった。

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