魔王様に捧げる20のお題

10.再会
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まさか、あ奴等が現れるとは…。

赤い髪の少年達。

彼等は必ず我が計画の邪魔になる。

何としても、追い出さなくては。

奴らの姿をエンハーサで見つけた俺は直ぐに女王に進言した。

『計画を邪魔する者が間もなく現れる』

と。

そして俺の思い通り、奴等を古代から消す事に成功した。

何の問題も無い。

…ただ、一つだけ。

「何故、あの方達をタイムゲートの中に…!?その上封印までっ」

「…奴等は、私達にとって害を成す存在だったのです」

「いいえ、そんな事ありませんわ!彼等はボッシュを助ける唯一の希望だったのよ…!」

「…」

ボッシュを監禁しろと言ったのは俺だとは、言えなかった。

「…はっきりと言いましょう。あ奴等は此処に居てはいけないのですよ。なにしろ違う時間軸の人間なのですから」

あくまでも淡々と言ってのける。

内心の動揺は押し隠して。

ふと、サラが蒼い双眸で俺の瞳を覗き込んだ。

何かを見定めようとしているかのようにすっと目が細まった。

…確かそれは、嘘をついているかどうか確かめる時のサラの癖―――

…見るな。

俺は変わりすぎた。

「…では貴方はこの時間軸の人間なのですか?」

「―っ」

言葉に詰まった。

…大体、今や人間ですらないというのに。

「私は…この世界の住人でした。…それはもう気の遠くなる程昔ですが。その世界は今、存在して居ません」

「?」

サラが怪訝な顔をする。

そう、そうやって踏み込まなければ良い。

踏み込まれれば、解ってしまう。

この心の髄まで闇に染まった俺の魂を。

「…と、とにかく。私を脅してまで…っ!」

サラが激昂した。

「…」

すっ、とサラから目を背け、静かに呟いた。

「…だが、私はやり遂げねばならない。たとえ…何を失っても。そして―――」


そして。

変えなければならない。

忌まわしき過去と未来を。


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