1/2ページ目 月光が降り注ぐいつもの夜。 俺は寝所に身を横たえ目を閉じた。 …自分の体は魔族になりつつある。 それは自分で自覚していた。 眠れぬ夜。 変わり果てた造形。 冷酷な心。 …そして、強力な魔力と身体。 それを俺は望んだ。 目的の…いや、ラヴォスを倒す為に。 魔族になれば強大なる魔力を扱う事のできる器が手に入ると、ラヴォスを倒す方法も探し出せるかもしれぬと思ったからだ。 走馬灯のように古代での日々が蘇る。 あの日、あの時、俺は…笑っていた。 今の俺には不必要な記憶だ。 …俺は目を開き、ビネガーの館に大量に安置されていた文献の一部を手に取った。 様々な魔法について書かれている。 ペラペラとページをめくっていると、封印の施されたページがあった。 魔法陣がページ一面を覆い尽くし、淡く赤い光を放っている。 あの、古代の封印だ。 何故、これがこのような所に? 怪訝に思った俺はいつも腰に付けている装身具を手に取った。 青い石が月の光を受けてキラキラと反射している。 まだ力を帯びているのがその輝きから見て取れた。 …サラのペンダントと同じ石。 サラのペンダントを封印の扉に翳し、サラが祈れば、その封印は解かれるという。 …この石にはサラの力が込められている。 この石でも事足りるだろう。 石を封印された本に翳すと一瞬発光した後、魔法陣が解かれた。 そこに記されていたのは禁断の冥魔法だった。 DARK…ダークマターか…。 逃れ難い闇と相反する白い闇を混沌と混ぜ、敵を打ち払う。 俺は文字を解読し、頭に入れた。 …俺に相応しい術だ。 後に身につけるとしよう。 俺は本を閉じ、また考えに耽った。 …ラヴォスを呼び出す方法はまだ見つかっていない。 しかし、多種の魔法を組み合わせる事できっと道はある筈だ。 魔王城の最深部にはラヴォスを呼び出す部屋を作らせた。 しかし、まだその時ではない。 …全てはこれから。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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