1/3ページ目 「近頃、目障りな騎士が」 「…誰だ」 俺は王座に腰掛け、三魔騎士に王国軍についての報告を受けていた。 「サイラスちゃんって名前なのヨネ〜。…早く殺しちゃってもいいと思うのヨネ〜」 マヨネーは女装…魔力で女に姿を変えている。 口調に似合わず、物騒な物言いをする事が多い。 魔力に長けていて、この世界では役に立つ。 「あやつめが居る所為で王国軍の士気が向上しております。他にも…騎士が聖剣を手にしたという噂が耐えませぬ」 ソイソーは忠義に厚く、信頼出来る。 魔術より武術に秀でているものの、魔術と武術を合わせた攻撃はなかなかの威力を持つ。 「聖剣だと?」 「魔王様はお知りではないのですね。聖剣といえば、伝説としてこの地に受け継がれる剣。魔族では触る事すらできないのです。もっとも魔王様なら別かもしれませぬが」 耳障りな笑い声をあげているのはビネガー。 ビネガーは…馬鹿としか言いようがない。 強いて言うなら魔族としてのプライドが妙に高い。 三魔騎士を分析し、今後の策略を練る。 「…聖剣という物が気になるな」 俺は三魔騎士を見渡した。 「ソイソー。騎士が何処にいるか感づかれないよう手下に調べさせろ。…失敗は許さん」 「御意」 ソイソーが部屋を退室する。 「マヨネー。お前は聖剣の事を魔術書を読み解いて調べろ。早めに頼む」 「魔王様のお願いなら何でもするのヨネ」 マヨネーがソイソーの後に続く。 ため息をつき、王座に深く腰掛ける。 しばらくの沈黙。 「あの〜…私は何をすれば?」 俺は音が響かないように小さく舌打ちをした。 「…そうだな…最近、侵入者が多い…。では、魔王城の守りを強固な物にしろ」 「わかりました。お任せ下さい!わし、いえ私の完璧なトラップで…」 「…間違っても魔族を嵌めるな」 ギクリ、とビネガーが身体を膠着させる。 前科を思い出したのだろう。 「お前も、またソイソーに刃を向けられたくはなかろう?」 「はっ、はい!じゃあ私はこれで…」 いそいそとビネガーが視界から消えた。 俺は傍らに置いた鎌の刃を自らの爪でなぞった。 …聖剣か…。 人間ごときが。 俺の、邪魔をするな…! [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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