＊2013年9月5日(木)＊
【虹。】
…それは、昨日の事だった
傘を忘れて、仕事中
土砂降りの雨が降って…
…これは…
傘買ってなきゃダメだな…
と、思いつつ
一日を終えた夕方の５時…
その日の空は…
見たこともないくらいに
素晴らしく綺麗だった。
…右側には
絵に描いたような
青い空があり…
…左側には…
夕焼けの色で
赤く染められた空…
その２つの空を
繋ぎ止めるかのように
真っ白な雲が
一筋の線になっていて…
まるで、大きな
虹を見ているようだった…
不思議だった。
心が洗われるようで
すごく落ち着いた…
…それと、同時に
こんなに
美し過ぎる物を前にして
この先に何か
起きるんじゃないか
って、不安がよぎった…
…それは、家に着いてから
…すぐに、わかった。
ただいまって
ドアを開けたとたん
いつもなら聞こえる
彼女の
鳴き声が聞こえなかった
「……リン…！？」
呼びかけても
なかなか起きようとしない
何が起きたのか
本当に、突然すぎて
どうすればいいのか
わからなくなって、
とりあえず、
何か食べさせなきゃと
食べかけのオムライスや
かぼちゃとかあげたけど
リンは
そっぽ向くだけだった…
そこで、
薄々、感じてしまった
火が消えたように
そこにはいつもの
リンの姿はなかったから
１人じゃ、ずっと
どうして気づいて
あげられなかった
どうして！！
って、責めてしまい
兼ねないので
私は、自分の気持ちを
落ち着かせる為にも
何が一番いいのか
考える為にも…
あえて、いつもと同じ
１日を過ごすことにした
…もし、私が
リンの立場だったら
きっと、
何も出来ないって
泣いて責めてる
人を見るのが
一番辛いと思ったから…
…だから、
変わりなく過ごそう…
私が辿り着いたのは
この考えだった。
…夜中、何か
リンの声が聞こえて
隣の部屋を見ると
そこには
懸命に立っている
リンの姿があった。
…無理はしちゃダメ…
寝てていいんだよって
そのつもりで
小屋を開けたら…
リンは、
よろめきながらも
私の足元まで
歩いてきてくれた。
…まるで、それは、
私に側にいてほしい
って、言っているかのようで
同時に、私がリンのこと
大好きだったように
リンもちゃんと
私のこと好きで
いてくれたんだってわかって
嬉しくて
涙が止まらなかった。
朝起きたらリンが
いなくなってしまう…
…どこかそんな気がして…
…けど、
目が覚めた時には
隣にはリンがいて、
すごく安心した。
…今日は、休みで
変わらずずっと一緒だよ
って、子供のように
寝かしつけたら…
…リンは眠った。
眠るように息を引き取った。
…リン、あなたは
私の家に来れて幸せだった？
…私のこと…好きだった？
色々、聞きたいことは
たくさんあるけど…
でも、不思議と
辛くはないんだ…
ケータイの
写真フォルダを開けると
そこには
たくさんの思い出が
たくさん詰まっていて…
見ると辛くなるって
そう思ってた
自分が馬鹿みたいに…
…楽しかったね。
って、元気をくれる。
…暴れ苦しむ様子も
痙攣することも
血吐くことも何もなかった。
本当に、本当に
まだ寝てるみたいに
今からでも起きるん
じゃないかってほどで…
…思うんだ。
昨日見たあの空は
私が死んでも
悲しむことのないように
最後の最高の思い出として
そんなリンの想いが
形になったんじゃないかなって。
…ありがとう。リン。
私は本当に幸せ者だ。
そして、あなたは
何よりも私の為に
幸せを届けてくれた
一番の最高の嫁だ。
…もっと、
一緒にいたかった
なんて、言ったりしないよ
だって、それじゃあ
リン自身が休めないもん
…大丈夫。
リンは、私の心と
１つになっただけ。
これからも変わりなく
私の中で笑ってるさ。
…9/5日午後、14時50分。
今まで、本当に
たくさんの笑顔をありがとう
…そして、私も
リンのように
たくさんの笑顔を届けられる
そんな人になるからね！！
…約束しよう。
「……
…また、走りだす時は
"一緒"だよ…！！」って…
…大好き。大好き。
9/516:12
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